池邊幸惠@西宮 平和のピアニストです。
もうはじまったとされる裁判員制度は、まさに憲法違反だらけです。
わたしたち国民の憲法における義務としては、子どもに教育を受けさせる義務と、納税の義務、
勤労の権利と義務を負う・・・憲法の義務はこの3つだけです。
昔はそこに徴兵がありましたが。
ところが今回の裁判員制度は、裁判員の参加義務があるそうで、
反した場合の実刑・罰金(過料)ありのとんでもない代物です。
わたしたちが人を裁く義務は、憲法にはありません。
以下への憲法違反にあたります。
憲法前文 平和的生存権
第11条・第13条 生命・自由・幸福追求の基本的人権の尊重
第14条 人種、信条、性別、社会的身分又は門地によって・・・差別されない」
第18条 何人もいかなる奴隷的拘束も受けない。
又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
第19条 思想及び良心の自由はこれを侵してはならない。
第21条 集会及び結社、言論の自由・・・・表現の自由は、これを保障する。
どう違反であるかの説明の前に裁判員に多大な影響を与えかねない重大事件への今のマスメディアの報道をみてみましょう。
たとえば今回、国策捜査で逮捕拘留中の (それも検察の言う罪を認めないと長期拘留されたまま・・・!)小沢さんの秘書の場合、これまでだと注意ですむものを事情聴取もしないで逮捕してしまったという、その検察のあり方の不自然さの追求をしていません。今、何故、どうして、の基本がおさえられていないのです。
それに、まだ憶測でしかなく裁判にもなっていないのに、犯罪だとばかりに全マスメディアが一体となって小沢さんだけを責めるかの大合唱は一体なんでしょうか。
まして、これから選挙前だというのに公判をいくつもかかえさせられ、その物理的にも精神的にも又、偏った報道による小沢氏の打撃は大きいのです。それが結局、彼を民主の代表から降ろしてしまいました。なぜ、選挙前の今、このようことをしかけたのかが分かりますね。あまたある権力の暴走と癒着の一つと言えましょう。そして、それにおもねるマスメディアたちの。
それを言うなら、同じ西松建設から同様に献金を貰っていた二階さんをはじめ、他の自民党の国会議員たちの方は何故逮捕されないのでしょうか?
それに、昨年度の政治資金収支報告書での、個人献金額で小沢さんは72番目で1.3億円です。麻生さんは4.4億円、もっと多いのが中川秀直氏。又、企業団体献金でも、小沢さんは27番目です。いずれにしろわたしたち市民にとっては、とても受け入れがたい法外な政治献金です。この献金は結局は国民のお金なのです。
つまり、小沢氏の前の、71人と26人の多額の政治献金のことには、誰もふれません。マスメディアがこれらに触れようとしない、触れれない状況ということは、この国にまともな報道精神が全くないことの現れでしょう。
しかしながら、政治献金は、“党”が“私”するものではありません。それらは、公共事業などのツケとなって、税金搾取につながっているものですから、政治献金は本来“国庫”に入るべきお金であるといえましょう。
さて、狂った体制癒着のメディアをいうなら、かつての植草さんの冤罪での重ね重ねの検察と裁判もひどさに加えて、容疑の時から犯罪者そのものの扱いであったマスメディア(新聞・テレビ)の報道。そして今だに理性と判断のかけらもない、過去の反省もなにもない、相変わらずの体制への迎合と不公正な偏向さにはあきれるばかりです。このような偏った情報環境にあって、どうやって、公平公正な裁判員制度が期待できるでしょうか。
このような信頼できないメディアに扇動され、警察・検察の態度もあやしい重大事件に関する裁判内容だというのに、このような中で、これまた人権侵害オンパレードの危うい裁判員制度を始めれるというのだから、この国の為政者たちは何を考えているのか、その魂胆をわたしたちは知らねばなりません。
思うに、その魂胆とは、国を軍国へと向けていこうとするものでしょう。
1) <国民か非国民かを選別する>誰がどのような基準でするのか意味不明の裁判員採択のあり方。
2) <参加の義務と出ない時に多大な実刑と罰則を科す>という脅しと憲法違反等を平気で行い、
3) <裁判内容をしゃべると罰>だとはまさに戦時体制下の言論の自由の圧殺といえます。
さて、裁判員制度の憲法違反の理由を申し上げましょう。
○国民にその内容を知らせず、新たな義務と実刑・過料などと、重刑における精神的負担を押し付けるのは、
憲法前文と第11条・第13条の国民の幸せに暮らす基本的人権の保障を侵害しており、決して国民を尊重しているとは言えない。
○裁判員への就職禁止事由として 5.の自衛官ですが、他の国家公務員が一定地位以上幹部職と限定しているのに、自衛官は無限定で裁判員になれないとしています。これは自衛官を差別しており第14条に違反しています。元トップの田母神氏の破茶滅茶を許しておきながら、一般自衛官を縛るのですから変ですね。
○出頭日には必ず出頭・・・と義務であるかのようにだまして押し付け、拒否すれば犯罪者でもないのに、意に反する苦役(過料か実刑)に服させるのも第18条違反である。
○裁判員を選択する、その仕分け・可否は第19条の思想信条の自由を脅かすものである。
○裁判員としての体験をしゃべると罰というのも第21条の言論の自由、表現の自由の侵害である。
まさに憲法違反のオンパレードです。
なぜ専門家でもない一般市民が、高い給料を貰っているわけでもないし、専門的な知識も訓練も受けていないのに、なぜこのような精神的な負担と圧迫、いやな場合に拒否もできないで、刑罰・罰金(過料)を受けねばならないのでしょうか。これはやはり国民を脅して、国従うという卑屈で従順にさせるためてせはないかと思われます。又、裁判で、顔をさらすわけですから、どんな不正の誘惑やお礼参りなど災厄にまきこまれないともかぎりません。
=====外国の場合=====================
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai30/30bessi4.html 司法制度改革審議会資料より
「陪審制度を採用しているアメリカ,イギリスにおいても,陪審裁判が行われている事件は極めて限定されている。アメリカにおいては,民事について,連邦地方裁判所において陪審裁判により終局した事件の全終局事件に占める割合は1.7%,刑事について,陪審裁判により終局した事件の全終局事件に占める割合は5.2%である。また,イギリスにおいては,民事について陪審裁判に付されている事件は,高等法院において1%未満,県裁判所において0.1%未満であり,刑事について陪審裁判により処理されている事件は全刑事事件の1%にも満たない。」
「イギリス・フランス・ドイツの各国はいずれも,絶対主義の下での権力者の統治に対する対抗手段として,また,アメリカはイギリスの植民地支配に対する対抗手段として,それぞれ陪審制度を導入したものである。フランス・ドイツ両国においては,陪審制度について種々の不都合が指摘されるようになったため,陪審制度から参審制度へと移行(フランス:1941年,ドイツ:1923年)して現在に至っている。」
http://www.jlf.or.jp/jlfnews/vol9_4.shtml 北欧の「当事者主義の参審制(評決権をもたない場合も)」に学べ
「デンマークなどでは、検察官の求刑が4年以上の重い事件は、1審が高等裁判所で、裁判官3名+陪審員12名の陪審制で裁かれる。無罪評決は、最終的であるが、有罪評決は、裁判官が破棄し、新たな陪審制による裁判を命じることができ、「二重の保障」と呼ばれている」
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このように米英でも陪審員制度が広く利用されているわけではなく、民事でも1.7%、刑事でも5.2%ですから、多い刑事事件でも20件中1件しかされていない。このような事実を隠して、さも陪審員制度こそが国民の権利であり進歩であるかのような宣伝は国民をだまし冒涜するものです。
もっと悪いのは、アメリカの陪審員制度にならったというが、アメリカでは被告は陪審員制の裁判と職業裁判官による裁判を選択する権利が与えられている。それは被告の権利です。ところが日本の場合、被告がどちらを選ぶか選択の余地がありません。これは被告の人権侵害にもなります。
又さらに、これは原告にとっても重大な人権侵害になります。
たとえば、レイプ事件などは、実名とその内容を裁判員候補者にまで知られてしまいます。
これはまさにセカンドレイプであり、被害者の原告の人権侵害であることはもちろん、決してあってはならないことです。このように原告が裁判のあり方を選べない状況だと、訴えたくても訴えれない状況が、ますます増えてくるでしょう。
このようなひどい内容の裁判員制度なのです。みなさんご存知だったでしょうか。
その上、判事たち数人が混じる話し合いでは、非国民ではないとして選ばれた素直な市民がその多くが体制迎合ヒラメ判事たちの傾向性に染められてしまうのも必至でしょう。まして、関する情報は判事に握られたままで、裁判員が請求しても見せてもらえない仕組みになっているそうです。これでは、市民は与えられた情報のみで判断を強いられるという、市民をバカにしているものです。
それにアメリカと違って、民事でなく、刑事の重大犯罪ばかりを扱うとは、一般市民である裁判員の精神的負担は大変なものです。そして死刑であれなんであれ、全員一致ではなく「単純多数決」で決めてしまうとは、そのあまりの軽薄さにあきれます。売国奴のアメリカンキッズの小泉さんの提案だから、さもありなんだろうと最初から懸念していましたがまさにその通り。それにしてもひどい人権侵害のパレード、憲法違反ばかりです!
このような、人権蹂躙・人権侵害をものともしない裁判員制度のあり方は、推定無罪の原則さえ守られない、扇動的なマスメディアのあり方とあいまってとても実施できるものではありません。
もう一つ、警察と検察庁の組織擁護のための証拠捏造や冤罪裁判が日本各地で起こっている事実をみても、このまま裁判員制度をはじめてしまっては、ますますの冤罪や不当な重刑を生む温床になりかねない。
もし裁判員制度をするなら、信頼できる司法・行政あってこそであり、
現在の、重罪対象で、信用できかねる証拠で、重い判断を強いられる不安感は、とても常人には耐えられるものではない。裁判員への人権侵害が問われる裁判員制度といえるでしょう。
これでは、まずは、裁判員制度を裁判するところからはじめなければなりませんね。
池辺幸惠 平和のピアニスト http://yukichan.cc
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参照:
■大久保太郎さんのURL
http://news.goo.ne.jp/article/php/life/php-20090516-10.html
■民放、法曹界関係者からも反対声明が続々 だされています。 ↓
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090520k0000m040093000c.html
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090521k0000m040085000c.html
■「性犯罪被害者の安全を保障しないまま裁判員制度を開始しないで!
被害者の安全とプライバシー保護を求める緊急アクション第2弾」が
呼びかけられています。 ↓
http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=456
■「国民救援会」は、5/21に下記URLの「声明」を発表しました。
裁判員制度が施行されたもとで、冤罪を生まない司法制度を目指して頑張るとしています。
http://www.kyuenkai.org/index.php?%BA%DB%C8%BD%B0%F7%C0%A9%C5%D9%A4%CE%BB%DC%B9%D4%A4%CB%A4%A2%A4%BF%A4%C3%A4%C6