民主党にまともな学者はついていないのかしらと、その論文の内容追求のないことにあきれたと同時に、その裏に何があるのか、組織ぐるみの不穏さが感じられました。
私の思うに、今回一番に問題にすべき論点は田母神氏の論文の内容だと思われたからです。
このような場でその内容について紛糾するならば、いえば、
自民・民主は明らかにタカ派とハト派に二分される怖れもでてくるかもしれません。
しかし、今ここで多母神論文のウソ間違いを確かに指摘できなければ、
今自衛隊でどのようなことが起こっているのかが、明確にはならないではありませんか。
どこが間違っているかを正確に指摘して、テレビ中継を見ている国民にその是非をしらせるべきでした。(テレビ中継はなかったと、後で分かりました)
そうなれば、多母神氏の背景にある改憲の闇の勢力の誤りがはっきりと指摘されるでしょうに。
歴史を恣意的に改竄する闇の勢力の間違いを糺す必要が、国民の利益を代表する議員たちにはあったはずだと思ったからです!
しかし、民主党につづく、共産・社民の二人についても、論文の内容についての細かな言及がされなかったのはなぜだろうと、
つくづくと政界の闇の深さと組織ぐるみのやらせであったのかとの疑いさえでてきます。あるいは議員たちの不勉強かしらとさまざまに懸念されました。
あのテレビで全国に発する公の場で、田母神論文の誤謬をあきらかにすれば、(テレビ中継がされなかったことも、重大事です!)
国民も今、みえないところで恐ろしいことがなされてきているのかがはっきりとみえたことでしょうが、そうはさせたくなかったのですね。(だからわざと中継はされなかった)
それが、多母神氏は、「表現の自由も、言論の自由もあるはずだ」と航空幕僚長としての責務も省みなかったことの反省も全くないままに、それが当然のようにひらきなおって、
「職責の逸脱はしていない。わたしの書いたものはいささかも間違ってはいない。
日本を良い国だったと言って解任されるとは遺憾である」と、言い切った時傍聴席はいっせいにどよめきました、ひどい!
又、「国を守ることについて、これほど意見が割れるものは(憲法改正をして)直したほうがいい」と主張し、憲法敵視の姿勢を示した。
公務員のそれもトップの憲法敵視の発言だったが、議員の追及のは甘かった・・・。
犬塚議員は、田母神氏が4年間、統合幕僚学校の校長として「国家観・歴史観」の講義をしていたことへの不安と、
又今回幕僚監部教育課から民間の懸賞論文募集のFAXが全国の航空部隊に流された逸脱について、
94人もが論文を出した件のその内容について言及した。
が、浜田防衛大臣はまだそれらの内容について把握できていないと答弁、具体的な対策も何も出さなかった。
これはまったく防衛大臣の管理不行き届きの怠慢といえるだろうし、田母神氏の懲戒免職の審問をやめて早期退職扱いとしたことからも、
事がこれからの国の根幹にかかわるの重大事であるのを隠そうとしているのが如実に分かります。
公明党の浜田昌良議員は、田母神氏の論文提出の手続きで大臣に問わなかったことのルール違反を指摘したが、
田母神氏は「職務に関係ない個人として提出したので違反ではない」とウソぶいた。これは今後も文民統制が利かないことを示唆しているでしょう。
又、その論文にも、また当日アパグループにより、11日の産経新聞に一面全部使って発表された、その論文にもしっかりと肩書きはついており、
この田母神氏の発言が全くのウソであか、本人のまったくの認識の不足であるかを顕にしている。
又、「防衛大臣・副大臣は給料の数ヶ月分を返上などすると言っているのだが、
氏は退職金6000万円の一部でも返還する気はないのか」についても、
田母神氏は「生活が苦しいので、そのつもりはありません」と答えていた。
高級取りが何を言うか(笑)と、庶民の生活の苦しさと程遠いところにいてその言い草はないだろうとあきれた。
また、「文民統制の面でも、立場のあるものとしての見解を公にするにあたっての影響についても節度があるべきだ、
でないと国民に不安を与えるだろう」については、
「今朝9時のYahooで『私を支持するか、しないか』『問題があるか、ないか』について、
58%が支持するだったので、国民に不安を与えてはいないと思う」 と的外れな抗弁をして失笑をかっていた。
いずれにしろ、このような委員会におけるぬけぬけと人をくう態度の答弁や、
今回の論文らしきものの歴史認識の偏りや事実誤認など、あまりに稚拙な内容についても、
これがトップの認識かとあきれられ、事は大問題になり更迭されたというのに、
いささかの反省の色も見せないその傲慢さには、
その背景の勢力の大きさと、軍人の思い込みの恐ろしさとが垣間見れました。
しかし、今回の野党の追及の態度の甘さをみても、これでは、日本の文民統制はダメではないかと大変不安に思われたことです。
この田母神氏のしてきたことは、まさに憲法を遵守すべき公務員にあらざる態度であり、充分に懲戒免職にあたいするものです。
そしてこのような者が自衛隊航空幕僚のトップにあって後進の指導にあたっていたことについても、
それを任命した者も当然同様に重大な責任が問われねばならないでしょう。
しかし、それらについても双方ともにその追及は甘かった。
昼すぎての、(テレビ中継はあったのかしら?)
共産党と社民党の井上哲士議員と山内徳信議員らの質問は、彼の思想についての追求がいくぶんはされていた。
井上議員は、「統合幕僚学校の平成20年のカリキュラムに『大東亜戦争史観』『日本国憲法の本質』『東京裁判史観』などがあるが、これらの講師名が伏せられたままなのはおかしい。それに、こうした呼び名は、侵略戦争を否定する中で使われることが多い。
たとえば講師陣の一人、大正大学福地惇教授のHPをみれば、侵略戦争でなく、自存自衛の戦争であり、
それが了解できたなら、現憲法体制は廃絶させねばならないというものだと書いてある。
このような特異な憲法違反であり、政府の見解に反する歴史観などを
自衛隊幹部全体にカリキュラムとして教え込んでいいものでしょうか。」と。
しかし、答える浜田防衛大臣は、
「この教育の結果・影響がどのように出ているのかがまだ把握していないのでなんともいえない」という危機感もなにもない、煮え切らないものでした。
これは、まさに日本の戦争の贖罪ともいえる憲法9条を持つ国として、最も大切な平和意識の欠如であり、
それも、自衛隊のトップがこのような幼稚な歴史観、侵略ではなかったと内部で教育していることへの
危機感・危機意識が欠如していたことを、みごとに露呈したといえましょう。
自民党は議員も内閣も官僚さえグルなんだ、民主党はいかに!?
最後に沖縄の山内徳信議員は、
このようなウソでひどい内容はとても論文とよべるしろものではないと言ったのですが、
細かな内容の指摘ではなかったので、
田母神氏は「これを選んでくれた審査員がよしとしているから論文として間違いはありません」とぬけぬけとひらきなおっていました。
又田母神氏は、各所で「わたしの言ってることにいささかの間違いはございません。あの当時、日本だけが悪かったわけではないのに、さも日本だけが悪かったように言われるのはまったくおかしいことです」と開き直った意見で、まったく誰の言うことも聞かない心動かされはしないというふうなふてぶてしい言い草でした。
又山内議員は自身の沖縄戦による戦争体験を細かに述べ、教科書が改竄されてきた経緯を述べ、
これらが、5.15、2.26のクーデターとなり問答無用と犬養首相も殺された、
国中が戦争にむかった戦前の雰囲気とよく似てきていることを述べました。
そして、「田母神氏は集団的自衛権も行使できない。武器の使用も制限が多い、
攻撃的兵器の保有も禁止されていることについて強調されているが、氏は
そこに大いに不満をもっておられるようだが、それについてはそれらがあればよいとお考えかと?」聞いたところ、
田母神氏の答弁は「はい、わたしはそうすべきだと思っています」と、はっきりと答えた。
このように更迭もされ問題をおこした参考人としての、
反省の色も弁もまったくみられないままに、自分はまちがっていないのに、
辞めさせられるのはおかしいことであるとさらに開き直っている、
この田母神氏のそのふてぶてしい態度に、今の国会で改憲の闇の勢力がこんなにも力をつけてきており、
今ふたたび奈落へと滑り落ちようとしている日本の怖さを感じたのは私だけではなかったでしょう。
まして終わってからの記者会見では、「政府見解!について一言も言えないのでは北朝鮮と同じ」と言って、自分の反体制的な戦争歓迎の思想が政府見解と同様であるかの発言さえしている。
後で、村山声明が政府見解であると、政府が言い訳の弁をしていたようであるが、このあわてぶりをみても国会も行政も、まさに、今の憲法無視の反体制に染まってきていることをを田母神氏は暴露したといえよう。
この田母神論文騒動は、まさに政府、国会議員たちの組織ぐるみの犯行であるといっても過言ではないのです
だのに、それを姑息に隠蔽して、ひそかに反体制へ、改憲へとことをはこぼうとしている様子、
いざとなれば、クーデターにたちあがる準備を自衛官の洗脳という形でしてきている危機的状況になっていること。
これは、今回の田母神騒動だけでも、憲法無視・国民軽視であって、国会が解散すべきである非常事態であることを、国民も本来ならばメディアも“その非道ぶり”に気づいて糾弾すべき、まことに内閣総辞職すべき重大事件なのです。
みなさん、この市区民を無視して、闇にふそうとしている改憲勢力にだまされないで、今回の田母神論文を充分に検証して、今、政治の中枢で何がおこなわれているかをわたしたち国民はしかと知るべきなのです。
もう、かつてのように だまされてはなりません!
今こそ、わたしたち平和を愛する国民は、大挙して、ごまめの歯軋りから大きな声へと変貌させ、
勇気を出して政治に向けて一歩踏み出さねば、この闇の改憲の権力はとても阻止できないでしょう。
さあ、9条改憲阻止、平和憲法を守るために動き出しましょう、どんどん巷でしゃべりはじめましょう。
池邊幸惠 http://yukichan.cc